福岡県那珂川市にご自宅を構えるI様からのご依頼で、ガーデンリメイク福岡の樹医サービスとして庭木のモミジ老木の治療を行わせていただきました。
こちらのモミジ(カエデ)はカミキリムシの幼虫(テッポウムシ)による食害がかなり進んでいました。
ご覧のように堂々たる枝ぶりのカエデですが、薬剤治療だけでは将来的な幹の倒木の可能性が残ってしまうため、抜本治療として幹の腐朽部の切除を行っての内部洗浄という大手術を敢行しました。
その上で、空洞部にステンレスの骨組みを立て、珪藻セラミックで蓋をしました。
珪藻セラミックは自然な呼吸の邪魔はせずに腐朽の原因となる外部からの水分の侵入を防ぎつつ内部からの水蒸気を発散させるという特性のある素材で、今回は人工的な樹皮として施工しました。
またカエデをはじめとするバラ類の樹木は傷をふさぐカルス(人間で言えばカサブタのようなもの)を形成しやすいので将来的にはカエデ自身の樹皮がこの穴を塞ぎます。
テッポウムシによる食害で腐朽の進んだ状態 |
腐食部の内側 |
腐食が幹の1/3まで進行していました |
病巣部を切除した状態 |
幹の強度を保つためにステンレスネットで骨組みを形成 |
切除面から空洞部まですっぽりと珪藻セラミックで覆った状態 |
カエデの自然治癒力を最大限に引き出す樹木治療 |
今後カルスが形成されるまで定期健診で見守ります |